ちょっと気になる質問がありました
管理栄養士でないと就職は絶望的でしょうか?
栄養士の資格はとっても無駄ですか?
という質問です。
この質問について、現役の管理栄養士がお答えします。
結論から言うと
栄養士の就職先はいくらでもあるが、病院や施設に就職したいなら、管理栄養士じゃなきゃ厳しい。
って感じですね。
これから栄養士の学校に行こうとしている方のようなので、栄養士と管理栄養士の違い。栄養士業界のことについても軽く解説していきます。
Contents
栄養士の就職先は「給食委託会社」が9割
まずは「管理栄養士でないと就職などは絶望的でしょうか?」という質問についてですが
管理栄養士ではなく、栄養士でも十分に就職はできます。
栄養士の主な就職先は「給食委託会社」です。
まだ給食業界を知らない方からすると「なんやねんそれ」でしょう。
給食委託会社とは、全ての病院や施設が自分たちで厨房を運営しているのではなく、病院や施設・企業の給食(厨房)業務の全てをおこないますよー。という会社です。
ちなみに、給食委託会社を入れずに厨房を運営しているところもあり、そうゆうところは「直営」と言います。
給食委託会社は常に栄養士不足
給食委託会社が厨房を運営するさいに、栄養士や調理師を給食委託会社に所属している職員を配置し運営します。
そのため、給食委託会社には沢山の栄養士や調理師が必要で、常に新卒の栄養士を採用しているのです。
私も短大を卒業し、新卒として大手の給食委託会社に就職しました。
埼玉・群馬・栃木を管轄している支店に入ったんですが、その支店だけで同期の新卒栄養士が100名以上おり
栄養士だからといって、就職が絶望的なんてことはありません。
むしろ、どこの給食委託会社も常に栄養士の数が足りていないので、栄養士として就職に困るなんてことはありませんよ。
直営か委託か。栄養士か管理栄養士か。
栄養士でも就職できると言いましたが、それは給食委託会社に限っての話です。
もし、病院や施設に直接就職したいと思っているなら、管理栄養士であることが必須でしょう。
まずは、栄養士と管理栄養士の違いについて軽く説明していきます。
栄養士と管理栄養士の大まかな違い
栄養士は「都道府県知事」によって認められた資格で、管理栄養士は「厚生労働大臣」によって認められた資格。
栄養士に国家試験はなく学校のカリキュラムを終えればもらえますが、管理栄養士は国家試験に合格しないと貰えません。
形式だけ違いですが、実際に何が大きく違うのか?それは
「診療報酬」を取れるかどうか。
病院などでは、患者さんにどんな治療を行ったかで点数が決まります。その点数によって治療に対する料金が決まるわけです。
診療報酬の点数は国(厚生労働省)によって決まっており、「1点=10円」で患者さんに請求されます。
管理栄養士だと診療報酬を取ることができ、栄養士は取れません。
そのため、病院や施設のほとんが栄養士ではなく、「管理栄養士」の求人です。
栄養士が病院や施設に就職するには「運」次第
栄養士と管理栄養士の違いについてちょっとお話しましたので、話を戻します。
栄養士でも病院や施設に就職することはできるのか?というと「運」次第ですね。
そもそも、診療報酬が取れない栄養士を病院が雇用する必要はありません。、厨房運営を給食委託会社に任せているなら尚更です。
なので病院や施設が栄養士を雇用することはまずないのですが
めちゃくちゃたまーーーに、病院や施設の栄養士求人がでます。その業務内容は、「管理栄養士の補佐」あるいは給食委託会社の入っていない「厨房の運営」です。
直営栄養士の仕事
ほとんどの病院や施設は給食委託会社に厨房の運営を任せていますが
たまに自分たちの職員で厨房の運営をしている病院や施設もあるので、そういった病院や施設では栄養士の求人がでます。
給食委託会社と同じように、献立作成し発注する。もしかしたら、事務作業は一切なしの、調理や盛り付けだけ。という場合もあるでしょう。
さらに少ないですが「管理栄養士の補佐」という求人もありますが、ただの雑用係です。
そういった、病院や施設が直接出す求人はものすごく少ないので、どうしても病院や施設に直接入りたいなら「運」次第ですね。
どっちみち、給食委託会社に入っても、病院や施設に直接雇用されても、栄養士のやれることに変わりはありませんが。
まとめ
栄養士でも給食委託会社に就職できますが、
病院や施設に就職しようと思ているなら、管理栄養士じゃなきゃ厳しいですよ。
短大や専門学校を卒業して栄養士でも、道のりは険しいですが管理栄養士になれるので
給食委託会社で経験をつんで管理栄養士になってから、病院や施設に就職するものありです。